2ntブログ
弘人は同じクラスの鈴木遥という女の子に一目ぼれした。
クラスで一番可愛く、多くの男子に人気があった。

弘人も例外ではなく、その子を見たときから気になってしまった。

弘人は遥に告白しようと思い、ラブレターを彼女の下駄箱の中に入れた。

放課後、教室で彼女を待った。
彼女は約束どおりの時間にやってきた。

「話って、なに?」

「じ、じつは・・・・」

緊張のせいか、思っていたことが言えない。

「じ、じ、じつは・・・・」

「す、すずきさんのこと・・・・」

「前々から・・・す、すきでした・・・」

「ぼ、ぼくと付き合ってください」

弘人はやっとの思いで告白することができた。

「気持ちはうれしいけど、ごめんなさい。」

「いま、付き合ってる人がいてダメなんだぁ」

「でも、ありがとう、佐藤君」

弘人の恋はアッサリと打ち砕かれた。
だが、彼女のスマイルは弘人に良い印象を与えた。
友達からなら始められるだろうと、そのときまでは弘人は思っていた。

だが、次の日、弘人が教室に入ると、机の上に菊の花があった。
机には『しね』や『ごみ』などの落書きがされていた。

弘人は席に座ろうとすると、イスが壊れた。
あらかじめ、誰かが細工しておいたのだろう。

周囲から、『プスプス』、『プッ』と、あざ笑いが聞こえる。

弘人は菊の花をどこかにもっていき、イスを使われていない教室からもってきた。
落書きは消えずにそのまま、授業を受けた。

昼休み、廊下を歩いていると、遥が男友達と話していた。
そして信じられないことを耳にした。

『くくくっ、遥もやるよな。あんなイタズラ。』

『えっ、だって、あいつ、きもいもん。』

『昨日だって教室に呼びつけて告白したんだよ。』

『正直、どっか消えてほしい』

『まぁ~な、くくく』

弘人は突然のあまり、その場に入った。

「あの・・・」

「さっきのことって・・・・」

遥たちは弘人が突然話しかけられたので驚いていた。
だが、開き直ったかのように弘人に言った。

「話きいてたんだ、サイテー」

「キモッ!!」

「どっかいったら」

遥+友達数名「あははははは!!」

このことにショックを受けた弘人は、教室にあるカバンをもって家に帰った。

学校の門へ出るとき、不良っぽい人たち5、6人に囲まれた。
そのうちの一人が話しかけた。

「おまえか、俺の彼女に手出したのは?」

「あの・・・なんのことですか?」

「とぼけるな!!遥だよ、やったんだな!」

「いえ、違います。なにもしてません。」

「うるせー!!」


ばぎっ、ぼぎっ!!

弘人はリンチされた。財布からお金をすべて取られ、顔はボコボコに殴られ、
ひどい傷を負った。