2ntブログ
「きゃぁ~、こっちにこないでえぇ~」

「うくく、もう逃げ場はないぞ。観念してこの腕輪を嵌めろ!」

とある日の夜、森林に囲まれた廃墟と化したアジトの前で一人の少女が中年男性に襲わ
れそうになっていた。
男は奇妙なデザインの銀色の腕輪を手に嵌めていた。
さらにそれと同じ腕輪をもうひとつ持ち、少女に無理やりにでも嵌めようとしていた。

「嬢ちゃん・・・・コイツを嵌めて俺と身体を入れ替わろーぜぇ。ぐへへへ!!」

「やぁー、やあぁぁぁ~、こないでぇ~。誰か助けてぇ!!」

男は迫り、少女は絶対絶命のピンチの状態となってしまった。
だが・・・・・そのとき・・・・・・・・

「そこまでだ!!」

「ん?だれだ?」

男の目の前に白シャツに青ズボンの穿いた眼鏡をかけた黒髪で肌が肌色の青年が現れた。

「誰だ?貴様は・・・・」

「俺の名前は真面目 太郎だ!」

真面目 太郎は真面目そうな表情でポケットから身分証明書をハッキリと相手に見える
ように提示し自身の身分を証明させた。おかげでどこの何者なのか・・・・必要以上に
身分を証明することができた。

「俺はこことは違って真面目な世界『真面目なサイト』からやってきた。俺はこの世界
みたいな不真面目な異世界は許せない。存在すら許せない。だからわざわざ変えに来て
やったんだぁ!!この世界を真面目で何も事件など起こらない安心安全な世界に変えて
見せる!」

真面目 太郎は真面目そうな表情でそう言った。
名前が真面目なだけに・・・・・

「はぁ~?・・・・・わけのわかんねぇ~こと抜かしやがって。んなもん内政干渉だろ
ーがよおおおぉ。俺と嬢ちゃんの身体の入れ替わりを邪魔する奴は、ここで始末してや
らぁ~!」

中年男性はナイフを手にし真面目 太郎に襲いかかった。だが当たらなかった。
何度も攻撃を仕掛けても真面目 太郎には当たらなかった。

真面目 太郎の出鱈目な動きにより中年男性は動きを読めずにいた。

「なんてやつだ・・・・まったく動きが読めねぇ・・・・・」

「今度は俺から行くぞ。・・・・必殺・真面目真剣奥義、真面目パンチ!!」

「ぐ、ぐああああ!!」

真面目 太郎は真面目に割りと普通っぽいパンチで男の顔面を殴った。
名前が真面目なだけに・・・・・

だがその攻撃力は高く効果抜群だった。

「くっ・・・・くそおおおお、ふざけやがって!よくもやってくれたな!」

「真面目パーっンチ!!」

「ごふっ・・・・!!」

真面目 太郎は男の話を聞かず容赦なくパンチを繰り出した。

真面目 太郎は一生懸命、真面目に戦いに集中していた。
名前が真面目なだけに・・・・・

そして・・・・・

「・・・・これでとどめだ!!最後は俺の必殺剣でたっぷりと切り刻んでやんよ!!」

真面目 太郎は攻撃を止め力を集中させた。

『我、中に十二の雷鳴の化身に成りて、呪われし漆黒の刃と化せ。汝、暴風に到りて冷
酷なる邪悪な灰水と化せ。出でよ!!聖なる我が十二番目の黒き魔剣グランド・メカト
ロニクス・ロイヤル・ジハード・イクシオン・エクスカリバー・スペシャル・エキストラ
・荒れ狂い次郎丸・・・・!!』

真面目 太郎はそう呟き、近くに落ちてある棍棒を手にし普通に男を殴った。

「うぐっ・・・・」

男は気絶した。

「どうだ、参ったか。これが真面目真剣の実力だ。・・・・命までは取らない。これから
は真面目に生きていくんだな。がはははは!!」

「あ、あのぉ・・・・誰だかわかりませんが助けてくれてありがとうございまs・
・・・・って・・・・あれぇ・・・・・」

真面目 太郎は嫌らしくも満足な笑みを浮かべ少女を無視し去って行った。

真面目 太郎は真面目なので少女には手を出さなかった。
名前が真面目なだけに・・・・・

こうしてイレギュラーな存在である真面目 太郎の活躍により少女は救われ、少女と中年
男性の肉体の入れ替わりは阻止された。

めでたし、めでたし・・・・