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霞(聡)はオナニーを終えた後、再びベッドに横たわった。
すると、疲れのせいか、急に眠くなり始めた。




・・・・・・そして気がつくと、霞(聡)は学校の入り口
付近に立っていた。セーラー服はクリーニングに出したか
のように綺麗できちんと整えられていた。

午前8時頃だろうか。生徒たちが急いで学校へやってきた。

「・・・・・・あれ・・・・・ここは学校じゃないか。なんで
こんなところにいるんだ、俺。」

霞(聡)は辺りをキョロキョロ見渡すと、前方から有り得ない人が
学校へ向かってくることに気がついた。

前方からは、なんと木下霞が歩いてきた。しかも隣には彼女の
親友の大山香織がいる。

木下霞は聡が身体を憑依して彼女の魂を喰って完全に身体を
乗っ取ったはずなのだが・・・・・・・どういうわけか前方に
もうひとり『木下霞』がいるのだ。

霞(聡)は、とりあえずどこか目立たない場所に隠れた。

「なんであんなところにあの娘がいるんだ?あの娘の身体は
俺がもらったはずなんだがな。よし、憑依して謎を探るぞ。」

霞(聡)は霞の身体から離脱しようとしたのだが、なぜか
出来なかった。何度も何度も試みたのだが失敗するばかりだった。

「なぜだ?幽体離脱ができないぞ。」

霞(聡)はあきらめてもうひとりの霞を監視(ストーキング)する
ことにした。

授業中や休み時間など、彼女を気づかれないところで見続けた。
そして夕方頃になり生徒たちが下校しようとしたころ・・・・・
霞も香織と一緒に家に帰ろうとしたのだが、香織はたまたま学校に
用事があったため、霞はこのとき一人で帰ることになった。

霞は道を歩き、その後ろを霞(聡)が気配を殺し、歩き続けた。
そして辺りに誰もいない場所に近づいたため、霞(聡)はチャンスだと
思い、霞に近づき、身体を押さえつけた。

「きゃっ!!」

「しっ、静かにしろ!!誰かに気付かれるだろ!!」

霞(聡)は手を離し、霞を振り向かせた。
霞は霞(聡)を見て驚いていた。

「あっ・・・・・・あなたはいったい・・・・・・・・なんで
私がそこにいるの?」

「それはこっちが聞きたい?お前は一体誰なんだ?」

「私は木下霞。・・・・・・あなたこそ誰よ。」

「俺も木下霞だ。」

「嘘よ・・・・・。私、自分のこと『俺』なんて言わないもの。」

ここにいる木下霞はどうやら本物らしい。聡が乗っ取ったこの身体も
木下霞本人なのだが・・・・・・・。

霞(聡)は何がなんだか分からなくなっていた。そのとき前方に誰かが
通りかかるのを見かけた。

それはなんと永田聡と新垣沙織だった。
彼らは手を繋いで歩いていた。

「なっ・・・・・・なんで俺がそこにいるんだ?」

それをみた霞(聡)はかなり驚いていた。
霞(聡)はダッシュで霞から離れ、彼らを尾行することに決めた。

彼らはずっと手を繋ぎっぱなしでおしゃべりしながら歩いていた。
そのとき気がかりな言葉をいくつか耳にしたのだ。

「ねぇ、内定決まったんだって?」

「ああ、決まったよ。前に言ってた外資系企業に就職することに
決めたんだ。」

「あの製薬会社は蹴ったの?」

「ああ、あそこか。最終面接まで行ったんだけど、白い錠剤みたいなの 
渡されて気味悪くてやめたんだよ。」

「あの会社、確かに大手だけど裏で怪しい研究をしてる噂があるからね。」

「ああ、それもこれも、みんな沙織のおかげだな。あのとき家に来てくれ
なければ飲んでたかもしれないな、あの薬。本当に感謝してるよ。」

「でも、あの薬なんだったんだろう?」

「惚れ薬だんたんじゃないのか!ははは~~。」

「もぅ~~、聡ったら~~。」

二人は仲良く手を繋いで喫茶店の中へ入っていった。
霞(聡)はそれを聞いて自分の起こった過去と少し食い違っていることに
気がついた。

霞(聡)は考えた末にある結論に至り、ニヤリと微笑んだ。