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次の日、目覚まし時計が鳴り、霞(聡)は起きた。

「ん・・・んん・・・よく寝たぁ」

霞(聡)はぼんやりと掛け鏡を見る。
そこには少女の姿が映っていた。

「ああ・・・そういえば・・・昨日霞ちゃんに憑依したんだっけな・・・ハハハハ!!」

霞(聡)は朝食を食べて歯を磨いて制服に着替えて学校へ行った。
学校への行き方、学校生活には未だ違和感が少し残るものの最初に憑依した日に比べて馴染んできている。
もう少しで完全に霞としての生活に馴染むだろう。

聡はこのまま霞として生活しつつも他人の身体に憑依していろいろなイタズラを仕掛けることを考えていた。
もちろん、そのことには誰にも気がつかないだろう。そして今の霞が聡であることに気づく人は誰もいないだろう。
そこにいるのは紛れもなく、セーラー服を着た可愛らしい女子中学生なのだから。

学校の教室に入った霞(聡)は香織が落ち込んでいる様子で自分の席に座っているのに気がついた。
散々、イタズラしたため無理もないだろう。

聡は前回、淫らな行為を続けたため、香織にバレテしまった。
そのため今回は香織の前では淫らな行為は控えて慎重に霞に成り済ますことに決意した。

霞(聡)はそれを意識しつつ香織に声を掛けた。

「香織ちゃん・・・暗いけどどうしたの?」

「うんうん・・・なんでもないの。なんでも・・・・」

香織のかなり落ち込んでいた。
霞(聡)は何も言えなくなった。

放課後、霞(聡)と香織は一緒に帰ることにした。
下駄箱から靴を取り出して靴を履き替える。

そのとき、香織が興奮しているような大声で霞(聡)に言った。

「か、かすみちゃん・・・こ、これ見て!!」

霞(聡)は目をやると、香織の下駄箱に一通の手紙が入っていた。

そこには、こう書かれていた。

『前々から気になってました

明日の放課後、屋上に来てください・・・』

そこには差出人の名前は書かれておらず、誰が書いたのか不明だった。

だが、香織はこれを見ると、さっきまでの暗い表情が吹き飛び普段の笑顔を取り戻した。

「良かったね・・・香織ちゃん!」

「うん・・・ありがとう。」

香織は明日を楽しみにしていた。
そのとき・・・霞(聡)はこの予期せぬ出来事に対しての新しいイタズラを考えていた。

「ふふふっ!」

霞(聡)の口から不気味な笑み微かに漏らす。
だが、興奮している香織にはそれが聞こえなかった。